こんにちは。
本記事では、胃カメラ・大腸カメラ、婦人科検診(乳がん・子宮・卵巣)、そして肺のCT検査など、定期検診をいつ受けるべきか、さらに「失敗しないためのコツ」を徹底解説します。
「健康診断は大切」と分かっていながら、「何をいつ受けるのがベストか」「検診を受ける施設をどのように選ぶべきか」「会社の健康診断だけで十分なのか」など、疑問を抱く方は多いのではないでしょうか。
ここでは、筆者が主治医から直接教わり、実践している検診のタイミングや注意点をまとめました。
特に「次回はいつ受ければいいのか」を主治医に必ず確認することの重要性を強調しています。
適切な検診間隔を守ることで、病気の早期発見につなげましょう。
Contents
1. 定期検診が重要な理由:忘れがちな“次のタイミング”
病気の早期発見・早期治療に欠かせない
健康診断は、病気の早期発見・早期治療に直結します。
自覚症状がまったくない段階であっても、検査結果から何らかの異常が見つかることは珍しくありません。
特に胃や大腸などの消化器系がん、乳がん、子宮がん、卵巣がんなどは、早期に発見できればその後の治療や完治の可能性が高くなります。
「次回はいつ受けるか」を必ず確認する
多くの方が見落としがちなポイントが、「次にいつ検診を受ければいいか」を聞いていないことです。
検査後に医師から「問題ありませんでしたよ」と言われたら、それで安心して終わりにしてしまいがち。
しかし、問題の有無にかかわらず、
「次回受けるタイミングはいつがいいですか?」
と必ず尋ねましょう。
医師が自主的に教えてくれるケースは意外と少なく、患者側から積極的に聞く必要があります。
医者は“未来”まではフォローしきれない
医師に悪気があるわけではありませんが、外来での診察は通常、「現在の症状」にフォーカスするのが当たり前。
「数年先にいつ受けるべきか」という教育的指導は、自分から聞かなければ教えてもらえないことがほとんどです。
筆者は幸運にも教育的にアドバイスしてくださる主治医と出会えましたが、こうした医師は稀とのこと。
患者自身が情報を取りにいく姿勢を持つのが大切です。
2. 胃カメラ検査のポイント:2年に1回がベスト
なぜ2年に1回が望ましいのか
筆者の主治医によれば、胃カメラ検査は2年に1回が無難です。
医師によっては3年に1回をすすめる場合もありますが、3年あくと見逃しが発生するリスクが高くなると言われています。
胃がんは進行が早い場合もあるため、「3年は長い。2年に1回が安心」という主治医の意見を重視するのがおすすめです。
会社の健康診断での「バリウム検査」は避ける?
会社の健康診断では「バリウム検査」を採用しているところが多いですが、バリウム検査でひっかかったら、結局は胃カメラ検査を受ける必要が出てきます。
さらにバリウム検査は体への負担(排出作業や造影剤トラブルなど)も大きいため、最初から胃カメラ検査を受けるほうが効率的です。
検査は「上手い医師」がいる病院で
胃カメラ検査は医師の腕の差が出やすい検査です。
会社の健康診断であれば、どの医師が担当になるか分かりません。
筆者は、自腹であっても上手な医師にお願いすることを強く推奨しています。
鎮静剤を使用してくれるクリニックや病院が増えていますので、内視鏡専門の医師や実績のある病院を、主治医に紹介してもらいましょう。
鎮静剤でラクに受けられる
以前は胃カメラ検査と聞くと、「オエッとなる」「つらい」「怖い」というイメージを持つ方が多かったと思います。
しかし最近は、鎮静剤を使用して半分眠ったような状態で検査を受けるのが主流になっています。
メリット
- のどの不快感・吐き気を感じづらい
- 医師も落ち着いて丁寧に検査しやすい
検査後にしばらく休憩が必要ですが、苦痛が少なくなるため精神的にも大変助かります。
ただし、鎮静剤使用当日は車の運転が制限されたり、保険のきき方が異なる場合もあるので、予約時に確認してください。
3. 大腸検査のポイント:便検査は毎年、大腸カメラは3年に1回が目安
大腸がんは早期発見で完治率UP
大腸がんは日本人の死亡原因トップクラスですが、早期発見であれば治療成績が良いがんの一つです。
大腸ポリープなどの前がん病変も、カメラ検査中に切除できる場合が多いため、定期的な検査が極めて重要です。
まずは便検査を1年に1回受けよう
会社の健康診断や自治体の無料検診では、便潜血検査(便の中に血液が混ざっていないかを確認する)が行われることが一般的です。1年に1回は必ず受けましょう。
- 便潜血検査で「陽性」が出た場合:大腸カメラ検査を受ける必要あり
- 便潜血検査で「陰性」でも症状があれば要注意
大腸カメラ検査は3年に1回が目安(状況によっては2年に1回)
主治医によっては「3〜5年に1回でもいい」と言われるケースもあります。
しかし、筆者の主治医は「5年は長すぎる。3年に1回、人によっては2年に1回が無難」と話しています。
なぜならば、大腸ポリープや腺腫はいつ新しくできたり、大きくなったりするか分からないためです。
見逃しを防ぐためにも、3年に1回はしっかり受けることが望ましいでしょう。
会社の健康診断での大腸カメラはおすすめしない
胃カメラ同様、大腸カメラも医師の技量によって検査の質が変わります。
会社の健康診断では、ベテランの専門医が担当する保証はありません。
多少お金がかかっても、腕のいい医師にお願いすることを優先してください。
主治医に紹介状を書いてもらうのが一番安心です。
下剤の準備は大変だけれど検査はラク
大腸カメラ検査で一番大変なのは、「下剤を飲んでお腹を空っぽにする」工程です。
何度もトイレに行かなくてはならず、時間もかかります。
しかし、検査自体は鎮静剤を使用すればほぼ眠っている状態で終わります。
「大変なのは下剤だけ」と割り切ってしまえば、それほど怖い検査ではありません。
4. 婦人科検診(乳がん・子宮・卵巣):知っておくべき受診間隔
子宮・卵巣検診は1年に1回
子宮頸がん検診や卵巣検診は、1年に1回の受診が推奨されています。会社の健康診断でオプションをつける方法もありますが、自治体から無料チケットが届く地域も多いので、まずは自治体の検診制度をチェックしてください。
乳がん検診は2年に1回
乳がん検診は、2年に1回が推奨されています。
これには超音波(エコー)とマンモグラフィー(通称マンモ)の2種類があります。
私の主治医によれば、前回の検査で重大な疾患が無かった方は、2年に1回のペースで大丈夫、とのことです。
マンモグラフィーの線量は意外と高い
マンモグラフィーはX線を使用するため、胸部レントゲンより高い線量を受けます。
撮り直しが発生しないよう、技師の腕がいい病院を選ぶことが重要です。
撮影技術が未熟だと、「失敗したので撮り直しますね」というリスクが高まり、そのぶん被ばく量が増えます。
技術のある施設・担当技師を探そう
自治体の無料チケットには、指定病院や検診施設のリストが同封されています。
その中から主治医に相談して「腕が良い」と評判のところを紹介してもらいましょう。
手間をかけてでも、自身の体を守るためには重要なポイントです。
5. 肺のケミカルCT検査:3年に1回が目安
肺がんは症状が出にくい
肺がんは、初期のうちはほとんど症状がなく、発見が遅れるケースが多いとされています。
そのため、CT検査による画像診断が非常に有効です。
ケミカルCTは線量が高めなので慎重に
筆者の主治医によれば、肺のケミカルCT検査は3年に1回程度が目安とのこと。
CTはX線を断層的に撮影するため、線量は胸部レントゲンより格段に高いです。
不要に検査を繰り返すと被ばく量が増えるので、症状やリスクが高い人は相談しながら受けるようにしましょう。
撮影時の注意:「絶対に咳き込まない」
CT撮影時には「息を止めてください」「そのまま楽にしていてください」などと指示されます。
万が一そこで咳き込んでしまうと正確な画像が撮れないので、再度撮り直しが必要になり、無駄に線量を浴びることにもなります。
検査前には、のどの調子や体調を整えておくことをおすすめします。
6. 自治体の無料検診を活用しよう
国民健康保険加入者には無料検診のチャンス
国民健康保険に加入していると、住んでいる自治体から1年に1回無料で受けられる健康診断の案内が届くはずです。
身長・体重・血液検査・心電図・血圧測定・視力・聴力など、基本的な項目が網羅されています。
意外と利用していない人が多い
「無料の健康診断なんて知らなかった」「案内は来ていたけど面倒で放置していた」など、意外にも利用していない方が多いようです。
主婦の方や自営業の方は特に、無料で基本的な検査を受けられるチャンスですので、積極的に利用しましょう。
会社員でも使える場合がある
会社員の場合でも、自治体によっては、居住区の健康診断を特定条件で受けられることがあります。
対象者の枠組みに入っていないか、一度自治体のHPや電話窓口で確認してみる価値はあります。
7. 検診時に失敗しないためのコツ7選
- 次回の検診時期を必ず確認する
検査後、医師から「異常なし」と言われたら、それで終わりにせず「次はいつがいいですか?」と聞く。 - 上手な医師・技師を探す
胃・大腸カメラ検査やマンモグラフィーは、医師や技師の腕に左右される。評判や口コミ、主治医の紹介を活用。 - 鎮静剤の使用有無を確認する
胃カメラ・大腸カメラ検査の場合、鎮静剤の有無で快適度が大きく変わる。追加費用や当日の注意点も要確認。 - 再撮影を最小限に抑える工夫
マンモグラフィーやCTなど、被ばく量が高い検査は再撮影がないように技師選びや体調管理を徹底。 - 事前準備(下剤・絶食など)をしっかり行う
大腸カメラのための下剤服用、胃カメラの絶食、CT検査前の咳止めなど、検査前のルールを守ることでスムーズに進行。 - 会社の健康診断だけに依存しない
会社の健康診断は基本的な項目を網羅しているが、胃カメラ・大腸カメラ・婦人科などの精密検査はスキルや設備面で不安が残る場合がある。 - 自治体の無料検診を賢く利用
特に国保加入者は、無料または低負担で受けられる機会が多い。会社員でも利用できるケースもあるため、自治体の情報を確認する。
8. まとめ:検診で得られる“安心”こそ最大のメリット
定期検診は、「異常が見つかったらどうしよう……」という恐怖を和らげるものではなく、むしろ健康状態を“確認し、安心する”ための大切な機会です。
仮に異常が見つかったとしても、早期発見・早期治療によって健康を取り戻せる可能性が高まります。
以下が検診受診の一般的な目安です:
- 胃カメラ:2年に1回
- 大腸カメラ:3年に1回(状況によっては2年に1回)+ 便検査は毎年
- 婦人科:子宮・卵巣は1年に1回、乳がんは2年に1回
- 肺のケミカルCT:3年に1回が目安
- 基本の血液検査や身体測定、心電図など:毎年
上記はあくまで一般的な目安なので、あなたの年齢・既往歴・家族歴・生活習慣などに応じて主治医と相談しながら調整してください。
大切なのは、
「いつ受けるのか?」
を忘れないようスケジュールに組み込み、適切な施設を選び、受診後に次回の時期を確認しておくことです。
健康であることを当たり前と思わず、自分の身体を自分で守るために、定期的な検診を活用しましょう。
そして、検診結果を「ただ受け取るだけ」で終わらせず、しっかり次のタイミングを確認し、万全の準備をして臨むことが、失敗しない検診ライフへの近道です。
筆者は主治医から「教育的指導」を受けられる幸運に恵まれ、定期的に胃カメラ・大腸カメラ・婦人科検診などを受診しながら健康管理に取り組んでいます。
ぜひ、ご自身の健康管理に役立てていただければ幸いです。
※本記事の情報は執筆時点のものであり、また地域や病院、保険制度の変更などにより内容が異なる可能性があります。最終的には必ず主治医や専門医に相談してください。
以上、「定期検診を受けるタイミングと失敗しないコツ」について解説しました。
ぜひこの機会に、自分の身体と健康を見直してみてください。
「病気になる前に、病気を見つける」ためにも、定期検診を活用していきましょう。